ワインや日本酒など、お酒を海外へ輸出する際には「瓶が割れないか」「重量に耐えられるか」など心配になる方も多いかと思います。
コロナ禍の社会になり、海外では自宅で日本のお酒を楽しむニーズが増加しました。
その結果、海外ではインターネットで日本のお酒を購入し輸入する海外バイヤーが増えています。
品質の高い商品を輸出しリピーターを獲得するためにも、梱包方法にも注意をしなければいけません。
目次
お酒の輸出梱包の実態
エア緩衝材(プチプチ)で酒本体を梱包
一般的に瓶の梱包を行う際にはまず、エア緩衝材、いわゆるプチプチを使用します。当たり前ですが、日本酒やワインなど酒類に関わらず「瓶」に入っている場合にはプチプチが有効的です。
引用元:sagawa-exp.co.jp/send/howto-packing/bottle.html
プチプチで梱包したらダンボールに詰め込んでいきますが周りに新聞紙などをクッションとして入れておくことでより輸送中の揺れに対応できます。
専用ケースの使用
国内輸送の場合にはプチプチでの梱包でも問題ありませんが、海外への輸出の場合には揺れが非常に大きくなります。
船便の場合には、専用のケースを購入して送ると安心です。とくにプチプチの場合は横からの衝撃には強いですが、上からの圧には弱い傾向にあります。物量が多い場合には積み上げて輸出されると思いますので、専用のケースを用意することをおすすめいたします。
ヨコ型)
引用元:hako.wave.jp/products/list?category_id=36
タテ型)
引用元:hako.wave.jp/products/list?category_id=36
専用のケースは横型、縦型など様々で1個数百円程度で購入することができます。多く積み上げる場合には縦型が良いとされています。
より安全にワインや日本酒などアルコール類を輸出する場合には専用のケースを使うようにしましょう。
実際にダンボールに梱包されるときは上記の通りになります。大切な商品を割らないようにするために、お酒の輸出の際には専用のケースを用意しましょう。
お酒の輸出手続き
ここからはお酒の輸出手続きの概要についてお伝えいたします。輸送業者に依頼される際にもご用意頂く書類もありますので一読しておきましょう。
<手続きの流れ>
- フォワーダー(貨物代理店)に輸送依頼
- 通関書類の作成
- 貨物を梱包する
- 保税地域に貨物を搬入
- 税関に輸出通関手続き
- 海外に向けて出港
酒類を輸出するにはまず、フォワーダーと言われる(貨物代理店)に国際輸送の見積り依頼をしましょう。
フォワーダーとは、荷主に代わり、輸送の手配や手続きなどを一括で請け負う業者のことです。国際物流においては、フォワーダーがいることで迅速な物流が実現します。
国際物流では、船会社or航空会社にブッキング・梱包・通関手続き・関係書類作成・関係省庁への許可承認・海外現地での通関手続き・輸送手配など、やることはたくさんあります。
専門知識が必要で、特にこの業界では横の繋がりでコストを抑えられたり、輸送スピードも柔軟に調整することができます。
個人や輸送実績のない企業が単独で行えば、コストも時間も必要以上になり非効率になってしまいます。
フォワーダーに連絡する際には、貨物の内容・数量・重量・容積・仕向け地など、輸送条件を伝えましょう。
すぐに見積りを出してもらえますので、コストやリードタイムに問題がないか確認しましょう。
※弊社、株式会社みかん箱もフォワーダー(貨物代理店)として、酒類はもちろんのこと、多種類の貨物を取り扱っております。
些細な疑問や心配な事、お見積りだけでも問題ございません。お気軽に弊社サービス「国際輸送のMIKANBAKO」までお問い合わせください!
輸出手続きの必要書類
- INVOICE(インボイス)
- Packing List(パッキングリスト)
- Shipping Instruction(シッピングインストラクション)
- 委任状
お酒問わず、貨物を輸出する際には上記4種類の書類が必要となります。
INVOICE(インボイス)は、仕入書のことで、輸出者が輸入者に発行する書類です。
インボイスには、輸出入者名・品名・数量・価格・契約条件・仕向地など、契約内容が記載されます。
通関手続きで税関に提出する書類でもあり、記載項目が関税法で定められています。
Packing List(パッキングリスト)は、梱包明細書のことです。貨物の個数・重量・容積など、貨物の状態を記載します。
Shipping Instruction(シッピングインストラクション)は、フォワーダーに輸送依頼する際に作成する依頼書のことです。書類のフォーマットは、フォワーダーが保有していますので依頼すれば受け取ることができるでしょう。
委任状は、フォワーダーに通関手続きを依頼する際に必ず発行しなければいけない書類です。こちらもフォーマットはフォワーダーが保有しているでしょう。非常に簡易的な書類で、作成は簡単ですのでご安心ください。
酒の輸出は危険品扱いになるの?
危険品扱いになるお酒は、例えばアルコール度数が40%のウイスキー(1本700ml)は、引火性液体として危険物扱いになります。
危険物扱いになると、取り扱ってくれない業者もいます。また、輸送料が高くなったり、提出する書類を追加で求められることもあります。
また、容量が250ml以下の容器に入れた場合は危険物にはならないため、通常貨物として輸出することができます。
酒類を輸出するにはライセンスがいるの?
お酒を輸出する場合には事前に「輸出酒類卸売業免許」を取得しておく必要があります。
この免許を申請する時点で、輸出先の取引相手の見込みを付けておくことが条件となっているため、申請前に、取引相手を明確にしておく必要があります。また、貿易商社を通して輸出相手を見つける方法もあります。
※酒類製造者が自ら製造した酒類を輸出する場合には、この免許は必要ありません。
※インターネット通販で酒類を販売する場合には、「通信販売酒類小売業免許」を取得する必要があります。
酒類輸出主要国の注意点
ここからは、日本から多くの酒類が輸出されている韓国、中国、台湾、香港、アメリカ、カナダへの輸出注意点を紹介していきます。
韓国へ酒類を輸出する注意点
酒類本品に、製品名・製造年月日・アルコール度数・原産国・原材料名などが記載されているラベルを張り付ける必要があります。
また、韓国では日本では常識である「賞味期限」という概念は通用しないため、「流通期限」または「品質保持期限」として記載する必要があります。
税金面では、関税・酒税以外に、酒税額の10%である教育税、その他付加価値税という税金がかかります。
中国へ酒類を輸出する注意点
中国では酒類の輸入を、食品安全法・中華人民共和国貨物輸出入管理条例・輸入酒類国内市場管理弁法・輸出入食品安全管理弁法など、様々な法律で規制しています。
中国側での品質基準に合致したものでないと輸入できなかったり、必要な検査を受ける必要があるなど、細かい規定があるので詳細確認しておきましょう。
例えば、製造年月日と賞味期限の両方をラベルに明記する、添加物は化学名まで詳しく記載するなど、製造時から気をつけておく必要があります。
台湾へ酒類を輸出する注意点
商品ラベルは中国語で、商品名・アルコール度数・製造業者名・賞味期限と製造年月日などの記載を行う必要があります。
また、台湾で酒類を輸入する際には、政府主管機関(財政部)に輸入許可申請して、輸入許可を取得する必要があります。
酒類輸入の衛生基準として、メタノール、鉛、二酸化硫黄などの最大許容量が定められていて、その条件をクリアしていれば、検査後、輸入許可が下ります。
香港へ酒類を輸出する注意点
香港では、アルコール度数またはその範囲・製品名・製造者または包装業者の名前と住所・賞味期限を商品ラベルに記載する必要があります。
また、アルコール度数が30%を超える酒類を輸入する場合には、香港税関に対して輸入ライセンス(Import License)の申請をして、輸入申告前に許可を得ておく必要があります。
香港には関税はありませんが、物品税の対象になるケースがあります。酒類の場合、アルコール度数30%以上の場合は100%、30%以下の場合は免税となります。30%を境に、雲泥の差がありますので注意しましょう。
アメリカへ酒類を輸出する注意点
ラベルには、偽りまたは誤解を招くような表記をしないよう注意が必要です。ラベルには、商品名・度数・内容量・輸入者名と住所・着色料名・原産国などを記載する必要があります。
また、連邦酒税(内国消費税)や港湾維持料、州酒税など、輸入する地域によっては特別な税を徴収されることになります。最終的な輸入コストを事前に計算しておくことが重要です。その他注意すべきポイントは下記3つです。
①PNC番号の取得
FDAの事前申告番号の取得(Prior Notice Confirmation Number)が必要になるケースがあります。出荷時・出荷後必要となる場合には、輸入者様に対応いただく必要があります。※必ず必要になるものではありません。
②製造会社名、住所、構成素材の詳細の提出
事前に製造会社名、住所の情報提供は行なっていただきますが、現地税関のリクエストにより、詳細の確認が必要となるケースがあります。
③COLA Waiver手続き
酒、タバコに関しては、US側でも厳しい規制がございます。ラベル表示に関するCOLA(Certificate of Labeling Approval)の承認が必要となります。このCOLAの手続きをWaiveする特例手続きもあるようでして、輸入者様より現地税関・該当組織に事前確認をお願いします。
その他、現地税関から求められたリクエストには迅速な回答が必須です。
カナダへ酒類を輸出する注意点
カナダでは酒類の輸入については、州および準州政府に管理権限が与えられており、輸入地によって規制内容や税額が変ってきます。
その他、他国と同様、ラベル規制や容量規制もありますので、カナダ含め、詳しい各国の酒類輸入規制については、JETROのハンドブックを確認しておきましょう。
参考)国税庁「日本酒輸出ハンドブック」
酒類の輸出ならMIKANBAKO
弊社、株式会社みかん箱は、世界各国に貨物を航空輸送しているフォワーダー(貨物代理店)です。
日本から海外の輸入者の玄関口までドア・ツー・ドアの国際輸送を行っており、国内での手配や通関手続きはもちろんのこと、海外現地ではパートナーである業者と連携して、責任を持って取引先の納入先まで貨物を輸送しております。
航空輸送は、世界各国まで1~2日で輸送することができ、揺れも少ないため貨物の品質を高く保って輸送することが可能です。
まずはお気軽にご相談ください。お見積りも迅速に対応させていただきます。
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