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シンガポール輸出の基礎知識!流れや必要書類・輸出入規制を解説

シンガポール輸出

この記事では、日本からシンガポールへ貨物を輸出する際の基礎知識をご紹介します。具体的な輸出手続きの流れや必要書類、輸出入規制の内容、関税について説明します。

また、具体例として、農産物・水産物の輸出に関する規制の情報を解説します。

シンガポールへの輸出を検討されている方は、ぜひご参考にされてください。

シンガポール輸出の流れ

日本からシンガポールへ貨物を輸出する際の流れをご説明します。なお、基本的には、シンガポールへの輸出に限らず、日本から様々な国や地域へ輸出する際にも共通する内容です。

輸出取引は、大きく次のような工程に分けることができます。

1. 売買契約の締結
2. 貨物の輸送・通関
3. 代金の決済

1. 売買契約の締結

海外の取引先と取引を行う際には、売買契約を交わします。売買契約を交わすまでには、一般的に次のような段階があります。

・商品・取引先の選定

次のような条件を決めなければ、貿易は始まりません。

輸入、輸出ともにおおむね同様ですが、ここでは日本からモノを輸出する場合を想定して解説します。

What「何を」:どんなモノ(製品、原料、農産物等)を取引するのか

どのようなモノを海外へ輸出したいのかを決めます。

自社で製造している製品の時もあれば、他の製造者から仕入れる製品の場合もあるでしょう。

また、農産物、畜産物等の一次製品のこともあります。

Who「誰と」:誰と取引するのか

輸出したい製品が決まっても、当然ながらそれを購入してくれる顧客を見つけなければなりません。

取引先の見つけ方としては、展示会や見本市に出展すること、JETROによる紹介、ビジネスマッチングサイト等があります。

また、世界最大の企業間電子商取引(EC)のサイトであるアリババに出品することも有効でしょう。アリババに掲載した場合、購入を希望する海外の業者から問い合わせ(引き合い)が入ります。自分で取引先を探しにいくよりも効果的な場合もあります。

Where「どこへ/どこから」:どこへ輸出するのか/どこから輸入するのか。

どこへ輸出するのかを決めます。輸出先の国によって、輸入品に対する法律の規制や関税率が違いますので、とても重要な点です。

場合によっては、取引相手がいる国ではなく、別の国(第三国)向けに輸出をするように依頼されることもあります。

When「いつ」:いつ取引(出荷、輸送、決済)をするのか。

モノの流れとお金の流れに分けて考えることができます。

・モノの流れ
いつ出荷して、いつ船(航空機)に積み込んで、いつ相手国に到着するか。

・お金の流れ
いつお金(商品代金)の支払いをする(支払いを受ける)か。輸出者(売り手)の立場から見ると、次のような条件が考えられます。

「代金を受け取ってから貨物を出荷する」
「先に貨物を出荷して、輸入者(買い手)が受け取ってから代金を受け取る」

ただ、前者は輸入者にとってリスクが大きく、後者は輸出者にとってリスクが大きいです。

そのため、特に初めての取引の際は、直接両者間で金銭のやり取りをせずに、間に銀行が入って安全に決済をすることが多いです。これを信用状決済と言います。

一方で、国際的な銀行振込によって、直接銀行口座に振り込みを受けることもあります。どのような支払方法をするかは、相手の信用調査をしたうえで、両者でよく話し合って決めます。

How much「どのくらい」:どのくらいの数量(個数、重量等)取引するのか

どのくらいの数量(個数、重量等)取引するのかを決めます。定期的に取引する場合、その周期(週に一回、月に一回等)も決めます。

How much「いくらで」:いくらで(価格、輸送費等)取引するのか

価格(単価)や諸経費(梱包料、輸送費、保険料等)を決めます。単価は取引量が増えると下げられることが多いです。

2. 貨物の輸送・通関

貨物を日本からシンガポールへ輸送する手配をします。輸送手配を誰がするかは、貿易条件(インコタームズ)によって決まります。

CIF (CIP)・C&F(CPT):輸出者手配
FOB (FCA, EXW):輸入者手配

インコタームズがCIF(CIP)・C&F(CPT)で、日本にいる輸出者が海上輸送で輸出をすると仮定して解説します。

1)輸出者がフォワーダー(海貨業者)を選定する
2)輸出者がフォワーダーに集荷、国際輸送、輸出通関の手配を依頼する
3)フォワーダーが船会社にブッキング(船腹予約)をする
4)フォワーダーが貨物を集荷して、保税地域に搬入する
5)フォワーダー(または通関業者)が輸出申告をする。
6)輸出許可となったら、貨物が本船に積み込まれ、シンガポールへ向けて出発する

大まかには上記のような流れで輸送と通関の手配が行われます。

輸出者としては、最低限上記の流れを理解しましょう。より詳しい必要書類や所要日数、料金等については、フォワーダー(海貨業者)に問い合わせると教えてもらうことができます。

3. 代金の決済

貿易取引の代金の決済方法は、個々の契約条件により多岐にわたります。

銀行振込で全額前払いすることもあれば、半額を船積み前に支払い、残り半額は貨物を受け取ってから支払うこともあります。

ここでは、買い手、売り手双方にとって比較的リスクの少ない、荷為替手形(にがわせてがた)を使った決済方法をご紹介します。

荷為替手形とは、輸出代金の決済のために輸出者が振り出した為替手形に、船積書類が添付されたものです。

荷為替手形を使用する場合、次のような流れで決済が行われます。

1.輸出者が貨物を出荷し、船積みをする。

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2.貨物を受け取った船会社が、輸出者に船荷証券(Bill of lading:B/L)を交付する。

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3.輸出者が貨物代金に相当する金額の為替手形を発行する。

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4.輸出者は、発行した為替手形とB/Lとをセットにして、輸出者の取引銀行(輸出国にある)に渡し、輸入者から手形金額を取立てるように依頼する。

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5.輸出国銀行は、輸入国にある輸入者の取引銀行に、為替手形とB/Lを送り、輸入者から手形金額を取立てるように依頼する。

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6.輸入国の銀行は、為替手形とB/L(荷為替手形)を輸入者に呈示して、当該手形を決済することと引き換えにB/Lを引き渡すことを伝える。

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7.輸入者は手形金額を銀行に支払うことと引き換えに、銀行からB/Lを受け取る。

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8.輸入者は、受け取ったB/Lと引き換えに、船から貨物を引き取ることができるようになる。

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9.輸入国の銀行は、輸入者から受け取った現金を輸出国銀行へ送金する。

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10.輸出国銀行は、輸入国銀行から送金された現金を、輸出者へ送金する。

まとめると、輸出者と輸入者にとっては次のような利点があります。

輸出者:輸入者が貨物代金を支払うまでは、輸入者が貨物を引き取ることができない。これにより、貨物を渡したにも関わらず代金を受け取れないという事態を防ぐことができる。
輸入者:貨物が出荷されて、輸入国の港に到着してから代金を支払うことができる。これにより、代金を支払ったにも関わらず、貨物を受け取ることができないという自体を防ぐことができる。

間に銀行を通して代金のやり取りをするため、直接の銀行振込に比べて、輸出者、輸入者の双方がリスクを低減することができます。

繰り返しになりますが、荷為替手形を使った決済は、数ある決済方法の一つです。実際の決済方法は、輸出者と輸入者との交渉によって決められます。

【まとめ】

以上のように、契約の締結、輸送・通関の手配、代金の決済という大きく3つのプロセスを経て、一連の貿易取引が完結します。

シンガポール輸出の必要書類

日本から貨物を輸出するときに必要な書類について説明します。

一般的には次の書類をフォワーダー(海貨業者)に送付して、フォワーダーが国際輸送の手配や輸出通関の手配を行います。

物品の種類によっては、追加の書類が必要になることがあります。特に、他法令の許認可については、必ず、貿易取引の契約をする前に何が必要かを確認しなければなりません。

物品の種類によっては、輸出の承認を得るのに時間を要するものもあれば、そもそも輸出できない種類のものもあるためです。

不明な点がある場合、必ずフォワーダーに相談するようにしましょう。

書類の名称 内容・目的 準備の有無
インボイス
(Invoice)
仕入書。輸出者が輸入者に対して発行する書類。品名、数量、価格、支払方法、貿易条件等が記載されている。貨物の発送通知書であると同時に、売買契約に基づく代金の請求書でもある。 毎回必要
パッキング・リスト
(Packing List)
梱包明細書。梱包の種類、サイズ、重さ、内容品の品名、型番、数量、重さ等が記載された書類。必要な情報がインボイスに記載されていれば、梱包明細書は省略することもある。 毎回必要
シッピング・インストラクション
(Shipping Instruction)
船積依頼書。略称:S/I。荷送人、荷受人、積込港、荷揚港、品名、貨物個数(梱包数)、重量等が記載されている。船会社またはフォワーダー指定の様式を使うことが多い。 毎回必要
委任状 通関業者に提出する。輸出者が通関業者に通関業務を委任したことを証明する書類。税関へ提出されることはないが、通関業者が保存する義務がある。 初めて通関業者に依頼するときのみ必要
商品説明資料 カタログ、写真、図面、成分表等の商品に関する資料。輸出申告の際のHSコードを決める目的や、危険物に該当しないかどうか確認する目的で用いられる。 商品の種類によって必要となる情報、資料が変わる
他法令の許認可書類 物品の種類によっては、法令により輸出が規制されている。そのような物を輸出する場合、輸入者が事前に監督官庁(経済産業省、農林水産省等)から輸出の許認可を得る必要がある。 商品の種類によっては必要
輸出申告書 輸出者自身ではなく、通関業者が作成して税関へ提出する書類。実際は紙での提出ではなく、NACCSにより電子申告をすることがほとんど。 通関業者が作成する

日本-シンガポール間における輸出入規制

日本から海外へ貨物を輸出する際には、日本の法令による規制があります。一方、シンガポールへ貨物を輸入する際には、シンガポールの法令による規制があります。

重要なのは、日本から輸出することができたからといって、シンガポールで輸入できるとは限らないということです。

同じ物であっても、「輸出」と「輸入」、「日本」と「シンガポール」のそれぞれで法律による規制内容が異なることがあります。

必ず、輸出する国での規制と、輸入する国での規制の両方を調べてから貿易取引を開始するようにしましょう。

日本から輸出する際の規制とシンガポールへ輸入する際の規制について解説しますので、詳しく見ていきましょう。

日本からシンガポールに輸出する際の規制

日本から輸出される貨物は、外国為替及び外国貿易法(外為法)によって規制されています。

この法律は、国際的な平和及び安全の維持を最大の目的としています。そのため、規制される貨物は、武器、化学兵器等の戦争や紛争に用いられる恐れのある物がほとんどです。

ただ、明らかに武器や兵器ではないものであっても、「兵器に用いられる恐れのある電子機器」や、「役務や技術」というモノではないものも規制されているので注意が必要です。

自社の輸出しようとする物が、意図せずとも上記法律の規制対象であれば、厳しい罰則を受けることになってしまいます。

輸出者が該非の判定をする必要がある

規制対象を詳しくご説明する前に、ご理解いただきたいことがあります。それは、輸出しようとするものが外為法の規制対象かどうかは、輸出者自らが判断する必要があるということです。

製品の資料をフォワーダーやお役所へ提出すれば判断してもらえるわけではありません。輸出者自身が、どのようなものが規制対象かを理解して、規制対象に該当しないことを自らの責任で証明する必要があります。

具体的には、製品の機能、性能、仕様等を記載したスペックシートを元にして、非該当判定書という書類を作成してフォワーダーへ提出します。フォワーダーは非該当判定書等によって外為法の規制対象ではないことを確認して、輸出通関を行います。

もし製品が自社製ではなく、日本国内の別のメーカーから仕入れて輸出する場合は、メーカーに非該当判定書の作成を依頼する必要があります。

繰り返しになりますが、まずは輸出者が主体となって外為法の規制対象か否かを判断するということを理解しましょう。

具体的規制対象

それでは、具体的な規制対象について解説いたします。

外国為替及び外国貿易法に関連する2つの政令によって具体的な規制品目が指定されています。

・輸出貿易管理令:貨物の輸出を規制する政令
・外国為替令:役務や技術の提供を規制する政令

規制の種類には、「リスト規制」と「キャッチオール規制」の2種類があります。
まずは、それぞれについて簡単に説明します。

リスト規制は、リストに列挙された品目であれば、どこの国の誰に向けて提供(輸出)しても規制対象である、という制度です。

キャッチオール規制は、具体的な品目名は挙げずに、条件を満たすものすべてが規制対象である、という制度です。

世界の国々をA, B, C,Dの4グループに分けられていますが、詳しくは後程解説します。

リスト規制とキャッチオール規制の概要を下記とおり表にまとめました。

リスト規制 キャッチオール規制
規制内容 軍事転用が懸念される貨物の輸出、および技術の提供 懸念される相手への輸出
→相手国はA, B, C,Dの4グループに分けられている
→ロースペック品でも規制対象となることがある
対象品目 軍事転用が懸念されるハイスペック品、もしくはデュアル・ユース品(※)等 鉱工業製品全般(食品、木材等を除く)
提供相手 提供相手は関係なく、すべての取引が対象 大量破壊兵器関連、もしくは通常兵器関連の需要者(提供を受ける者)

※ 「デュアル・ユース」とは、軍民両用であるということ。

まずは、リスト規制の詳細をご説明します。

【1】リスト規制

1)対象貨物

輸出貿易管理令の別表第1の1~15項で指定された、軍事転用の可能性が特に高い貨物が対象です。

・武器(鉄砲、火薬等)
・原子力(原子炉、人造黒鉛等)
・化学兵器
・生物兵器
・ミサイル
・先端材料(超電導材料、潤滑剤等)
・材料加工(ベアリング、ロボット等)
・エレクトロニクス(IC、信号発生器等)
・電子計算機
・通信(通信用光ファイバー、暗号装置等)
・センサー
・航法装置(加速度計、ジャイロスコープ等)
・海洋関連(潜水艦、水中ロボット等)
・推進装置(ガスタービンエンジン等)
・その他(粉末状の金属燃料等)
・機微品目(電波の吸収材・導電性高分子電波の吸収材・導電性高分子等

注意点
※上記はあくまで一例です。詳しくは経済産業省の資料 に記載されています。
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer/shiryo/setsumei_anpokanri.pdf

※上記品目であり、かつ「貨物等省令」に記載された、品目ごとの「スペック(性能、機能)を満たすものが対象。

2)対象役務

外国為替令の別表1~15項に該当する役務

ここでいう「役務」とは、先ほどの対象貨物の設計、製造又は使用に必要な情報やプログラムのことです。

つまり、「物」自体を輸出しなくても、規制対象貨物を設計、製造、使用するために必要な情報を提供することも規制されています。

日本から外国へ技術者を派遣して指導を行うことや、逆に外国から日本を訪れた人に技術指導を行うことも規制対象です。

【2】キャッチオール規制

キャッチオール規制は、リスト規制だけでは規制が不十分であることから設けられた制度です。過去に、リスト規制に該当しない製品を使用して大量破壊兵器の開発等を行っていた事実が判明したことから導入されました。

リスト規制と異なり、専ら需要者や用途に着目した規制です。客観要件またはインフォーム要件のいずれかに該当した場合に許可申請が必要になります。

2つの要件の違いは、簡単にいうと次のとおりです。

1.客観要件:輸出者による判断
2.インフォーム要件:経済産業省による判断

それでは、2種類の要件についての説明を進めます。

1.客観要件:輸出者による判断

・用途条件(使用目的)

輸入先等において、大量破壊兵器等の開発等に用いられるか否かということです。同じ品目を輸出するとしても、エンドユーザーがどのような用途によって使用するかによって規制対象か否かが決まります。

大量兵器や通常兵器の開発とは明らかに関係のない用途であれば規制対象外です。兵器等の開発と関係のある用途であれば、次の3つの観点から規制対象かどうかを判断します。

(1)大量破壊兵器等の開発等に用いられるか否か

(2)別表に掲げる行為(※1)に用いられるか否か

(※1)別表に掲げる行為:核融合に関する研究、原子炉の開発等、重水の製造、核原料物質等の加工、核原料物質等の再処理、次の行為のうち、軍事機関が行うもの(化学物質の開発・製造、微生物や毒素の開発、ロケットや無人航空機の開発、宇宙に関する研究

(3)仕向地が別表第3の2に掲げる国・地域(※2)であって、 通常兵器の開発、製造又は使用のために用いられる

リスト規制とキャッチオール規制の県警、およびキャッチオール規制の中での大量破壊兵器と通常兵器による規制内容の違いは下記のとおりです。

(1)核兵器、大量破壊兵器に用いられる可能性が高いもの

下記の品目は、核兵器や大量破壊兵器に用いられる可能性が高いものとして指定されています。

大量破壊兵器等及び通常兵器に係る補完的輸出規制に関する輸出手続等について」より抜粋(経済産業省貿易経済協力局、輸出注意事項28第1号・20160114貿局第2号)
http://www.cistec.or.jp/export/express/160122/6-20160122_2.pdf

品目 懸念される用途
1. リン酸トリブチル(TBP) 核兵器
2. 炭素繊維・ガラス繊維・アラミド繊維 核兵器、ミサイル
3. チタン合金 核兵器、ミサイル
4. マルエージング鋼 核兵器、ミサイル
5. 口径75ミリメートル以上のアルミニウム管 核兵器
6. しごきスピニング加工機 核兵器、ミサイル
7. 数値制御工作機械 核兵器、ミサイル
8. アイソスタチックプレス 核兵器、ミサイル
9. フィラメントワインディング装置 核兵器、ミサイル
10. 周波数変換器 核兵器
11. 質量分析計又はイオン源 核兵器
12. 振動試験装置 核兵器、ミサイル
13. 遠心力釣り合い試験器 核兵器、ミサイル
14. 耐食性の圧力計・圧力センサー 核兵器、ミサイル
15. 大型の非破壊検査装置 核兵器、ミサイル
16~40は省略

(2)通常兵器に用いられる可能性が高いもの

下記の品目は、通常兵器に用いられる可能性が高いものとして指定されています。

品目
1. ニッケル合金又はチタン合金
2. 焼結磁石
3. 2 に掲げるものの製造用の装置又はその部分品
4. 作動油として使用することができる液体であって、りん酸とクレゾールとのエステル、りん酸トリス(ジメチルフェニル)又はりん酸トリ-ノルマル-ブチルを含むもの
5. 有機繊維、炭素繊維又は無機繊維
6. 軸受又はその部分品
7. 工作機械その他の装置であって、次に掲げるもの又はその部分品
イ 数値制御を行うことができる工作機械
ロ 鏡面仕上げを行うことができる工作機械(数値制御を行うことができるものを除く。)
ハ 測定装置(工作機械であって、測定装置として使用することができるものを含む。)
8. 二次セル
9. 波形記憶装置
10.電子部品実装ロボット
11.電子計算機又はその部分品
12.伝送通信装置又はその部分品
13.フェーズドアレーアンテナ
14.通信妨害装置又はその部分品
15.電波その他の電磁波を発信することなく、電波その他の電磁波の干渉を観測することにより位置を探知することができる装置
16.光検出器若しくはその冷却器若しくは部分品又は光検出器を用いた装置

・需要者要件(エンドユーザーについての要件)

大量破壊兵器や通常兵器の開発等に使用されるおそれがあるか否かを、需要者(エンドユーザー)の観点から確認します。

具体的には、以下の2点を確認することになります。

(1) 輸入者・需要者が大量破壊兵器等の開発等を行う(行っていた)か否か
(2)外国ユーザーリスト掲載の企業・組織か否か

(2)外国ユーザーリスト(End users list)

外国ユーザーリストとは、経済産業省が、大量破壊兵器等の開発等への関与が懸念される企業・組織を掲載し公表しているリストです。

掲載企業などに輸出等を行う場合には、大量破壊兵器等の開発等に用いられないことが明らかな場合を除き、経済産業大臣の許可が必要です。

外国ユーザーリストは毎年改正されるため、常に最新版を入手して使用する必要があります。

2019年4月26日改正版における、国別の掲載ユーザー数は下記のとおりです。具体的なユーザー名については、経済産業省の資料をご覧ください。

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/EUL_3.pdf

国名 掲載数
アフガニスタン 2
アラブ首長国連邦 9
イスラエル 2
イラン 222
インド 4
エジプト 2
北朝鮮 143
シリア 20
台湾 1
中国 63
パキスタン 57
香港 3
レバノン 6
合計 534

2)インフォーム要件:経済産業省による判断

輸出される貨物(技術)が大量破壊兵器等の開発等に使用されるおそれがあるものとして、経済産業大臣から輸出許可・役務取引許可の申請をすべき旨の通知を受けたときが該当します。

もしこの通知を受けた場合、当該貨物を輸出または技術を提供する場合には、その都度、経済産業大臣の許可を受けなければなりません。
 
ただ、現実的に輸出をすることは困難です。経済産業省が兵器開発に使用される懸念があると判断していますので、その懸念を払拭することができなければ、輸出は許可されません。

【まとめ】

ここまでで、外為法による輸出規制の概要を解説いたしました。すでに輸出業務を行ったことがある方であればご存知の内容が多いと思いますが、初めて輸出を行う方にとっては分からないことだらけでしょう。

経済産業省の資料等を見てご自身で調べられることも必要ですが、不明な点があれば輸出の国際輸送や輸出通関を依頼するフォワーダーに相談しましょう。

該非判定を行う主体は輸出者ですが、フォワーダーも該非判定について相当の知識を有しています。どのような手順で調べればよいか、何という書類が必要かということは助言をもらうことができますので、一度ご相談されてみてください。

シンガポールでの輸入規制

シンガポールへ輸入することが禁止、または管理されている品目の一覧をご紹介します。

A)輸入禁止品目:原則的に輸入が禁止されています。

B)輸入管理品目:品目ごとの輸入ライセンスを取得すれば輸入可能です。

まずは、輸入禁止品目の一覧表です。

A)輸入禁止品目(シンガポールへ輸入することができない品目)
所轄省庁 品目
シンガポール税関(Singapore Customs) チューインガム(歯科治療・薬用チューインガムを除く)
内務省シンガポール警察(Singapore Police Force:SPF)
ライセンス・取締部(武器・爆薬)(Police Licensing & Regulatory Department (Arms & Explosives))
ピストル型/リボルバー型のライター
爆竹
シンガポール食品庁(SFA)
※旧:農食品・獣医庁(Agri-Food and Veterinary Authority of Singapore:AVA
サイの角(加工品、未加工品、粉末等を含む)
絶滅危惧種の国際取引を規制する国際条約(CITES:通称ワシントン条約)の対象となっている野生動物とその製品
シンガポール食品庁(SFA)
※旧:ヘルスサイエンス庁、たばこ規制部門(Tobacco Regulation Branch, Health Science Authority:HSA
噛みたばこ(葉の噛みたばこ、板状たばこ、ねじり巻き、細刻み)
たばこ類似品(電子たばこ、加熱式たばこ)および、たばこ類似品を構成するもの
水たばこ
無煙シガー(葉巻)、無煙シガリロ(葉巻)、無煙紙巻たばこ
溶解性たばこ、ニコチン
インプラントもしくは注射によって局所的に身体に注入する、ニコチンまたはたばこを含む器具
たばこもしくはニコチンを構成成分とし、電子ニコチン送達シムテムもしくは加熱式たばこによって服用される溶液もしくは物質
嗅ぎタバコ(鼻)
嗅ぎタバコ(口)
グトゥカー、カイニ、ザーダ(たばこ関連製品)
シンガポール食品庁(SFA)
※旧:ヘルスサイエンス庁、ライセンス・証明部門(Licensing and Certification Branch, Health Science Authority)
規制薬物、向精神薬
情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority of Singapore:IMDA) スキャニングレシーバ
軍用通信機器
電話用音声変換器
無線通信機器のうち周波数帯域880~915MHz 、925~960MHz、1900~1980MHz、2110~2170MHzで操作される機器(ただし、IMDAにより認可された携帯電話機または他の機器を除く)
無線通信ジャミング装置(操作周波数帯域を問わない)
猥褻な物品、出版物、ビデオテープ、ビデオCD
知的財産権を侵害する複製された出版物、ソフトウエア、ビデオテープ、ビデオCD、レーザーディスク、レコードやカセット
シンガポールの治安を脅かす扇動的・反逆的物品

続いて、輸入管理品目の一覧表です。

B) 輸入管理品目(所轄省庁で輸入ライセンスを得れば輸入できる品目)

所轄省庁

品目

シンガポール税関(Singapore Customs) コンパクトディスク(CD)、CD-ROM、ビデオCD(VCD)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、DVD-ROMのマスター製造機械
粗ダイヤモンド
エンタープライズ・シンガポール(ESG) コメ(米ぬかを除く)
シンガポール食品庁(SFA)

※旧:農食品・獣医庁(Agri-Food and Veterinary Authority of Singapore:AVA )

動物および鳥類の肉・同製品
魚介類・同製品(魚類、甲殻類、軟体動物)
食料品(野菜・果物(生鮮品、冷蔵品に限る)を除く)
果実(生鮮品、冷蔵品に限る)
野菜(生鮮品、冷蔵品に限る)
朝鮮人参の根
獣医薬
植物(土の有無は問わない)、花、種子
飼料用脱脂粉乳、マレーシア(マレー半島部、サバ州、サラワク州)産のフレッシュミルク、脱脂粉乳、殺菌牛乳
有機肥料
ワシントン条約で規制対象となる材木・木材
食卓用食器具・台所用品(陶磁器製、リード・クリスタル製のもの)
国家環境庁(National Environment Agency:NEA)

ー汚染管理部(Pollution Control Department:PCD)

アスベスト製品
一次電池(アルカリ電池、亜鉛電池、水銀電池)
化学物質(毒物・危険物、殺虫剤)
フロンガス(CFC)
ハロン
表面活性剤(陰イオン性のもの)
使用済み電池(亜鉛電池、カドニウム電池、水銀電池)
国家環境庁(National Environment Agency:NEA)

ー放射線保護・核科学局(Radiation Protection and Nuclear Science Department:RPNSD)

放射線照射装置(照射装置、エックス線、レーザー、超音波、MRI、電子レンジ、紫外線光源)
放射性物質
保健省生物安全対策部(Biosafety Branch, Ministry of Health) ヒトの病原体(human pathogens)
情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority of Singapore:IMDA) カートリッジ/カセット/オーディオコンパクトディスケット(事前録音済み)
フィルム、映画、ビデオ、レーザーディスク
レコード
出版物
テープ(事前録音済み)
おもちゃのトランシーバー
内務省(Ministry of Home Affairs:MHA)

ーシンガポール警察(Singapore Police Force:SPF)

ーーライセンス・取締部(Police Licensing & Regulatory Department)

スロットマシン、ジャックポット機械
内務省(Ministry of Home Affairs:MHA)

ーシンガポール警察(Singapore Police Force:SPF)

ーーライセンス・取締部(武器・爆薬)(Police Licensing & Regulatory Department (Arms & Explosives))

武器、爆薬
身体防護服(防弾チョッキを含む)
手錠
鉄製ヘルメット
ニトロ・セルロース(硝化綿)
おもちゃの銃、ピストル、リボルバー
内務省(Ministry of Home Affairs:MHA)

ーシンガポール警察(Singapore Police Force:SPF)

ーーライセンス・取締部(公共娯楽・酒類)(Police Licensing & Regulatory Department (Public Entertainment & Liquor))

娯楽用機械(コインやディスクで稼動するもの。ピンボール台、シューティング・ギャラリー、撮影機などを含む)
内務省(Ministry of Home Affairs:MHA)

ー中央麻薬取締局(Central Narcotics Bureau:CNB)

ケシの種子(kaskas)
先駆物質(Precursor chemicals)
内務省(Ministry of Home Affairs:MHA)

ー民間防衛庁(Singapore Civil Defense Force:SCDF)

ディーゼル油、ディーゼル燃料
可燃性物質(flammable materials)
石油
シンガポール税関 国家官庁(National Authority:NA [化学兵器協約(Chemical Weapons Convention:CWC)], Singapore Customs) 化学物質(毒物、先駆物質(toxic & precursors))
建築・建設庁(Building and Construction Authority:BCA) 砂、砂利、花崗岩など建設資材
シンガポール食品庁(SFA)

※旧:ヘルスサイエンス庁(Health Science Authority:HAS)

治療用製品(治療用チューイングガムを含む)
医療機器
中国漢方薬
臨床研究に使用される医療用・治療用製品
規制薬物および向精神薬
オーラルデンタルガム
有毒な獣医薬

なお、シンガポールへ向けて輸出しようとしている貨物が輸入禁止品、もしくは輸入管理品目に該当するかどうかは、シンガポール税関のwebサイトで検索することができます。

Competent Authorities’ Requirements for Controlled Items

ただし、日本側(輸出者)だけで、輸入禁止品または管理品であるかを判断することは危険です。

輸入ライセンスを取得するのは輸出者ではなく、シンガポール側の輸入者です。最終的には輸入者が必要なライセンスを理解して取得してもらう必要があります。

もちろん、輸出者側もどのようなものが規制対象になるのかを知っているに越したことはありません。輸入が禁止されている品目を輸出しようというのは無駄なことです。

また、シンガポールの輸入者がライセンスを持っていないと輸入することができない品目の場合、事前にライセンスを持っていることを確認することでトラブルを予防することができます。

できる限り調べてみて、不明点があれば、輸入者か日本からの国際輸送を依頼するフォワーダーに相談してみましょう。

シンガポール輸出&輸入には関税はかかる?

ここでは、日本からシンガポールへ貨物を輸出する際の関税について解説します。

【1】日本から輸出する際の関税

日本から貨物を輸出する際、日本の税関に関税を徴収されるのでしょうか?

結論からいうと、日本では輸出時に関税は掛かりません。日本へ輸入する際にだけ課税されます。

そもそも関税とは、貨物が国境を超える際に、税関によって課せられる税金のことです。

関税の機能、目的は次の2つです。

・国家収入の確保

国家の税収としての役割です。

日本では国家収入に対する関税の割合は2%程度ですが、発展途上国ではその割合が50%を超えることもあります。国家にとっての重要な収入源であると言えます。

・国内産業および市場の保護、育成

国内市場での、国産品の優位性を高めるための機能です。代表的なのは、日本にとってのコメです。

農家を守る、食の安全性を確保する等の目的で、日本政府は国内のコメ農家を手厚く保護しています。

日本へ輸入されるコメの関税率は、2019年11月現在で341円/kg です。5kg入りに換算すると、1袋で1705円です。

スーパーマーケットで売られている5kg入りのお米の販売価格は2千数百円程度ですので、とても高い関税であることがわかります。

これだけの関税を掛けないとすれば、輸入米が国産米より遥かに安い価格で販売されます。そうすると国産米の販売量は大幅に減少することが予測されるため、農家の保護のために高い関税を掛けているのです。

その他の物品も、日本製の製品を保護すべき品目では高めの関税が課されています。例えば、毛皮製品:20%、皮革製品:10%、繊維製衣類:9~10%などです。

日本以外の国では、その国の国内産業の状況などに応じて、品目ごとに関税率が決められています。

繰り返しになりますが、日本から輸出をする際に関税は掛かりませんので、ご安心ください。

【2】シンガポールへ輸入する際の関税

次に、シンガポールへ貨物を輸入する際の関税や輸入税の種類について解説します。シンガポールでは、輸入品に対して次の3種類の関税が定められています。

1)輸入税(Customs Duty)
対象:ビールなど

2)物品税(Excise Duty)
対象:アルコール製品、たばこ・葉巻、ガソリン、乗用車・二輪車など

3)財・サービス税(Goods & Services Tax:GST)
対象:すべての輸入品。日本の消費税にあたるもの。
税率:7%

1)輸入税(Customs Duty)

対象:ビールなど8品目

ただし、自由貿易協定(FTA)を締結している国に対しては、特恵関税が適用され、原則税率はゼロとなる。

スタウト(黒ビール)、ビール
HS:2203.00.11, 2203.00.19, 2203.00.91, 2203.00.99
税額 :アルコール分量1リットル当たり16Sドル

薬用サムスー、その他サムスー
HS 番号:2208.90.10, 2208.90.20, 2208.90.30, 2208.90.40
税額 :アルコール分量1リットル当たり8Sドル

※サムスーとは、ハーブなどを配合した穀物蒸留酒のこと。

2)物品税(Excise Duty)

対象:アルコール製品、たばこ・葉巻、ガソリン、乗用車・二輪車など合計588品目

アルコール製品(アルコール調製品、工業用原料を含む)(62品目)
従量税方式
税額:お酒の種類により、アルコール分量1リットル当たり60Sドルより

たばこ・葉巻(31品目)
従量税方式
税額:種類により、1キログラム当たり329Sドル、388Sドル、427Sドルの3段階

石油製品(ガソリン)(17品目)
従量税方式
税額:種類により1デカリットル(10リットル)当たり3.7~7.1Sドル。

乗用車・二輪車(478品目)
従価税方式
税率:乗用車は20%,二輪車は10%

3)財・サービス税(Goods & Services Tax:GST)
対象:すべての輸入品。日本の消費税にあたるもの。
税率:7%

シンガポールの輸入規制・具体例

ここでは、シンガポールへの輸入規制の具体例をご紹介します。

日本からシンガポールへの輸出を検討される品目で多いのは、農産物や水産物です。農産物と水産物を例にしてご説明します。

シンガポールにおける農産物の輸入規制

まず、輸入が禁止または規制されている農産物について説明します。

【1】シンガポールへの輸入が禁止、制限されている農産物

1. シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目

中南米諸国からの青果物にのみ植物検疫証明書が要求されます。

また、青果物全般は、法令で禁止された農薬を使用していたり、基準値を超える農薬や毒性化学物質が残留していたりすると輸入することができません。

法律 植物管理法 植物管理法
(植物管理規則)
食品販売法
対象 中南米諸国からの青果物 青果物全般 青果物全般
必要書類
必要条件
植物検疫証明書 禁止された農薬を含まないこと 農薬または毒性化学物質の残留値が基準値を超えないこと

2. 東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸入規制

恒久的ではなく、暫定的な措置として定められた規制です。今後制限が緩和または解除される可能性はあります。

産地(都道府県、または市町村レベル)や品目によって規制内容が異なるため、下記の表をご参照ください。

産地 品目 規制内容
福島県(全市町村) 林産物(野生および栽培されたキノコ類、野生ベリーを含む) 輸入禁止
福島県南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村 農産物全般 輸入禁止
右記以外の福島県内の市町村 農産物とその加工品 農産物とその加工品
次の書類があれば輸入可能
・政府作成の市町村ごとの産地証明書(都度取得)
・査機関発行の放射性物質検査報告書(3か月有効)
茨城県、栃木県、群馬県 林産物(野生および栽培されたキノコ類、野生ベリーを含む) 政府作成の放射性物質検査証明書
野菜・果物とその加工品 政府または商工会議所作成の都道府県ごとの産地証明(商工会議所の場合はサイン証明)
上記以外の都道府県 野菜・果物とその加工品 野菜・果物とその加工品
政府または商工会議所作成の都道府県ごとの産地証明(商工会議所の場合はサイン証明)

【2】輸入ライセンス、輸入許可

次に、青果品の輸入に必要なライセンスと輸入許可について説明します。
前述の輸入が禁止、制限されている以外の青果物は、必要な手続きをすれば輸入することができます。

1)輸入ライセンス
青果物の輸入者は、シンガポール食品庁(SFA)(旧:農食品・獣医庁, AVA)から事前に、「生鮮野菜・果実の輸入・トランシップに関するライセンス」を取得しなければなりません。

ライセンス取得に必要な書類等は以下の表のとおりです。

輸入ライセンス取得の手続き
対象者 生鮮野菜・果実の輸入者
取得の時期 輸入を始める前
申請先 シンガポール食品庁(SFA)
申請方法 オンライン・ライセンシング・サイトLicenceOne(AVA e-Licencing)を通じた申請
必要書類 1)会計・法人規制庁(ACRA)に会社を登記した際に発行され、シンガポール税関に登録された個別企業登録番号(UEN)
2)年間ライセンス料や輸入許可手数料の自動引き落し用の銀行口座(GIRO)開設申請書
所要日数 通常1営業日
年間ライセンス料 378 Sドル

2)輸入許可

1)のUENは一度きりの登録ですが、それとは別に輸入の都度の許可が必要です。
輸入許可の必要書類等は下記の表のとおりです。

食品の輸入許可の手続き
対象者 あらゆる食品の輸入者
申告の時期 貨物がシンガポールに輸入される前
申告先 シンガポール食品庁(SFA)
申告方法 貿易物流業界の電子情報交換ポータル「TradeXchange」内の「トレードネット・システム」を通じて、船積みごとに事前申告を行う。
必要書類 船荷証券(B/L)またはエアウエイビル(AWB)、インボイス、パッキング・リスト、衛生証明書(必要に応じて)
申告内容 UEN番号、AVAライセンス番号、製品情報(HSコード、AVA製品コード、数量と単位)
所要日数 申告から輸入許可取得まで通常、1営業日
輸入許可
手数料
1件当たり3 Sドル

シンガポールにおける水産物の輸入規制

Ⅰ. 輸入が規制される水産物
Ⅱ.輸入に必要な手続き

Ⅰ. 輸入が規制される水産物

法令等によりシンガポールへ輸入が規制されている水産物について解説します。

【1】輸入の禁止、制限

水産物に対しては、次の3種類の規制があります。

1)シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目
2)東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸入規制
3)ワシントン条約(CITES)該当品目の輸入規制

1)シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目
輸入禁止品目 殻なし冷蔵カキ、冷蔵ザル貝(トリ貝)、調理済み冷蔵エビ・小エビ、冷蔵カニ肉
原産国制限品目 対象品目 生カキ
輸入許可される国 オーストラリア、カナダ、フランス、アイルランド、オランダ、ニュージーランド、英国、米国(2016年12月末時点)
※上記以外の国からの輸入は禁止
必要書類 シンガポールの食品安全基準を満たしていることを証明している、輸出国の管轄機関発行の衛生証明書
輸出国の衛生証明書が必要な品目 対象品目 冷凍カキ、冷凍ザル貝(トリ貝)、調理済み冷凍エビ、生・調理済み冷凍カニ肉
必要書類 シンガポールの食品安全基準を満たしていることを証明している、輸出国の管轄行政機関により発行された衛生証明書

2) 東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸入規制

恒久的ではなく、暫定的な措置として定められた規制です。今後制限が緩和または解除される可能性はあります。

産地(都道府県、または市町村レベル)や品目によって規制内容が異なるため、下記の表をご参照ください。

2)東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸入規制
産地 規制内容
福島県(全市町村) 輸入停止
茨城県、栃木県、群馬県 政府作成の放射性物質検査証明書(生産・加工地を要記載)
上記以外の都道府県 政府または商工会議所作成の都道府県ごとの産地証明(商工会議所の場合はサイン証明)

3)ワシントン条約(CITES)該当品目の輸入規制

ワシントン条約(CITES)の附属書リストに含まれている水産物をシンガポールへ輸入するには、輸出国および輸入国双方のCITES許可を得る必要があります。

シンガポールへの輸入許可の手続きの概要は下記の表のとおりです。

3)ワシントン条約(CITES)該当品目の輸入規制
対象者 該当品目の輸入者
取得の時期 貨物が到着する少なくとも1週間前
申請先 申請先
シンガポール食品庁(SFA)
申請方法 オンライン・ライセンシング・サイトLicenceOne(AVA e-Licencing)を通じた申請
必要書類 輸出国の管轄官庁が発行した「CITES輸出・再輸出許可」
所要日数 通常2営業日
手数料 1種ごとに12Sドル、最低60Sドル
備考 「CITES輸出・再輸出許可」の原本を貨物の通関手続き後直ちにAVAの野生動植物課に提出する。

また、ワシントン条約による規制対象の水産物は下記のとおりです。

ワシントン条約(CITES)該当品目
CITES 附属書II類 チョウザメ(Sturgeon)
ジンベイザメ(Whale Shark)
ウバザメ(Basking Shark)
タツノオトシゴ(Seahorses)
ホオジロザメ(Great White Shark)
メガネモチノウオ(Humphead wrasse)
地中海イシマテ貝の一種(Mediterranean date mussel)
モウカザメ(Porbeagle Shark)
アカシュモクザメ(Scalloped Hammerhead shark)
ヒラシュモクザメ(Great Hammerhead shark)
シロシュモクザメ(Smooth Hammerhead shark)
ヨゴレザメ(Oceanic Whitetip shark)
オニイトマキエイ属全種(Mobuild rays)
欧州ウナギ(European eel)
CITES 附属書III類 エクアドル原産ロックナマコ(Rock Sea Cucumber)

【2】検疫について

水産物については原則、検疫は不要です。

【3】残留農薬規制

食品規制第9付表において、食品に残留する農薬の種類と、農薬ごとに対象となる食品と最大残留基準(MRL値) が明記されています(ポジティブリスト方式)。

残留農薬基準を満たさない食品の輸入、販売、広告等は禁じられます。

付表で明示されていない農薬については、コーデックス委員会(国際食品規格委員会)のが設定した基準値を超えてはならないと定められています。

Ⅱ.輸入に必要な手続き

前述の規制対象外の水産物は、所定の手続きをすることで輸入することができます。

具体的には、輸入者としての輸入ライセンスと、輸入の都度の輸入許可が必要です。

その手続きは青果物の場合と同様ですので、青果物の輸入手続きの解説をご参照ください。

シンガポールへの輸出はMIKANBAKO

最後までお読み頂きありがとうございました。弊社は、当サイトを運営している「株式会社みかん箱」です。

2008年の設立以来、個人・法人問わず様々な輸送を取り扱ってきました。現在では、お陰様で年間5,000件以上の輸送実績を誇っています。

弊社は、航空便でのシンガポール輸出案件を多く取り扱っています。多量の物量になりますと、船便のほうが安くなりますが、1~2日程度でスピーディーに輸送されたい場合には、航空便の利用をおすすめします。

又、利用する航空会社や時期、物量によっては船便よりも航空便のほうが安くなるケースもあります。

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