海外の取引相手を見つけて貿易することは、市場を広げたり(輸出)、海外商品を国内で展開(輸入)することができるメリットがあります。
うまくいけば大きな利益を得ることができる海外輸出入ビジネスですが、もちろんリスクもあります。
この記事では、海外輸出入ビジネスのリスクや全体の流れ、必要書類や手続きの概要など、
これから海外輸出入ビジネスをはじめようとしている個人様や法人様が必要になる知識をご紹介します。
海外ビジネスの大局観を得られますので、ぜひ最後までご覧ください。
(当記事では、主に輸出をメインにご紹介します。)
目次
海外輸出ビジネスのリスク
海外輸出ビジネスの場合には国境をまたぐため、法律や国の情勢、為替など様々なことに気をくばる必要があります。
貿易商になるための醍醐味ではありますが、ここが一筋縄ではいきません。
ここからは、海外輸出するときに注意すべきリスクの概要をご紹介します。
海外輸出ビジネス7つのリスク
海外の相手と取引する際には、以下7つのリスクが発生します。対策法も含め解説していきましょう。
・言語リスク
海外輸出する際には、言語の違う国の人と意思疎通をして契約を交わしたり、相手国の法律を確認する必要も出てきます。適宜、翻訳ツールやサービスなどを使い取引相手と円滑なコミュニケーションが取れるようにしましょう。
・法律リスク
輸出をするときは、日本の関税法を基本に輸出手続きをします。しかし、日本で輸出が許可されたからといって、相手国で輸入できるかは分かりません。国によって輸入できないものや、事前に政府の許可が必要なものが存在します。輸出前に相手国の法律を確認しておくことは必須になります。
・カントリーリスク
日本は戦争や紛争がないのが当たり前ですが、外国では起こる可能性があります。
そのため、貨物が相手国に着いて紛失したり、為替送金停止になったりすることもあります。モノとお金の流れが止まる可能性がありますから、保険をかけておくと安心です。
・企業信用リスク
海外の取引相手となると、頻繁に会って話すことはできません。
とくにはじめての取引の際には、相手が誠実な企業や個人とは限りません。契約相手を探す前に、帝国データバンクなどの企業信用調査をしてくれる業者に取引見込みの企業を調査してもらうことをおすすめします。
・為替変動リスク
外国為替相場は日々変わっていきます。日本円に交換するときに、為替が変わっていれば、変動分損をするなんてことも。
為替リスクを避けるためには、売買する日やレートを決める契約をしましょう。また、できるなら日本円での取引を持ちかけてみましょう。
・貨物損傷リスク
海外輸出は長距離輸送になりますから、その分貨物が損傷・変質する可能性が高くなります。
とくに、船便の場合にはコンテナ内が高温多湿になりますし、輸送中の揺れによる貨物損傷も考えられます。
航空輸送の場合には、揺れや温度変化も少なく安全かつスピーディーに輸送することができます。
・代金回収、商品入手リスク
代金が後払いの場合、輸出者は商品を送ったのに入金されない「代金回収リスク」が、前払いの場合、輸入者は送金したのに貨物が届かない「商品入手リスク」が発生します。
両者のリスクを回避するためには、「信用状取引」が効果的です。
信用状取引とは、銀行間取引のことです。輸出者は輸出をした証拠書類を銀行にもちこむと代金を回収でき、輸入者は銀行に代金を払うと貨物引取書類を受け取ることができ、港(空港)から商品を受け取ることができます。
お互いが安心して取引することができる王道の取引方法です。
海外輸出の流れ
今から海外輸出ビジネスを始める方は、全体の流れを理解することが大切です。ステップごとの概要を解説しましょう。
1.取引先・商品の選定
海外輸出の場合、海外でどんなものを売るか、輸入の場合は、国内でどんな海外産商品に需要があるかを調べます。商品を決めたらその商品を取り扱っている取引先企業を見つけましょう。適宜、信用調査を行い、安全に取引できる相手なのか確認しましょう。
2.契約交渉・締結
取引見込み企業と契約交渉を行います。取引価格・取引通貨・決済方法・数量・輸送方法・貿易条件などを話し合い、お互いが納得した段階で契約書を交わします。ここからようやく、輸出入の手続きがスタートします。
3.輸出手続き開始
フォワーダーに国際輸送の依頼を出します。貨物を梱包し、輸送業者に貨物を引き渡します。その後、「保税地域」という港や空港にある、輸出入貨物をさばく場所に搬入されます。同時並行で通関書類を作成したり、保険を付保したりします。
4.通関手続き・輸出
フォワーダーが通関業者に輸出通関手続きの依頼を出します。(フォワーダーが自社で通関をするケースもあります。)通関士による、通関手続きが完了すると貨物は外国貨物扱いになり、輸出することができるようになります。順次、航空機(船)に搭載され、取引先国に向けて出発します。
5.代金決済・貨物引取
無事に輸入者に貨物が届き、輸出者は代金を回収できれば取引終了です。先程も紹介しましたが、貨物を引き取れないリスクや代金を回収できないリスクを回避するために、銀行間取引である信用状決済を利用すると安心です。とくに、はじめての取引の場合には銀行を介して取引しましょう。
個人で海外輸出ビジネスを始める人が続出
昨今、誰でも簡単海外輸出ビジネスができるようになりました。
かつて海外輸出ビジネスをしようと思うと、展示会に出店したり、海外現地に出向いて取引先を見つけなければいけませんでした。時間もお金も労力もかかることから、個人が手を出すのはご法度と言われてきました。
しかし今はネット社会。いつでもどこでも外国の人と連絡がとれ、企業や市場の情報も簡単に入手できるようになっています。
貨物を送るのも、法律を勉強したり、面倒な手続きをしなくても、一括代行してくれるフォワーダーという国際輸送業者もいます。
今、個人が海外輸出ビジネスを行う環境は整備されているのです。
WTO(世界貿易機関)が発表しているデータによると、日本の輸出額ランキングは第4位。海外では、質の高い日本産物への需要が多くあるのです。
まだ企業が海外展開していない商品はたくさんあります。企業としてやるには旨味の少ない物でも、個人レベルでやれば大きな利益になります。
海外輸出ビジネスで必要なモノ
海外輸出ビジネスで必要なものはたった3つです。
2.銀行口座(入出金口座)
3.ネット環境
海外輸出ビジネスをするなら、世界決済ブランドのVISAやMastercardどちらかのカードを最低1枚は持っておくと便利でしょう。
また、代金を受け取る口座を用意しておきましょう。すでに口座くらいはあると思いますが(笑)
あとはネット環境があればOKです。スマホではなくできればパソコンの方が便利です。海外取引者とのメール連絡や情報を調べる際には、パソコンのほうが効率的です。
「英語ができませんが…。」
英語はできなくても何とかなります。今はメールやSNSメッセンジャーでのやり取りで連絡するのが一般的です。
Google翻訳機能を使えば、高度なレベルで翻訳してくれます。高額な取引の場合には、勘違いを無くすために、翻訳サービスを利用すると安心です。
海外輸送する方法
30kg以下の荷物なら郵便局から海外発送できますが、それ以上の物量になると郵便局での取扱ができませんので、フォワーダーに依頼をします。
フォワーダーに依頼すれば、面倒な輸出書類作成や通関手続き、航空機(船)への搭載手続き、すべて請け負ってくれます。
個人でも行うことはできますが、関税法を始めとする様々な法律を理解し通関手続きを行う必要があります。税関に出向いたり、貨物検査になった場合には検査場に立ち会うなど、物理的な負担もあります。
また、フォワーダーは、航空機や船の輸送スペースを大量に購入していますから、一般よりも安価にスペースを確保できるため、輸送費は抑えられる傾向にあります。
弊社は、航空機輸送を得意とするフォワーダーです。安全かつスピーディーに輸出をされたい方は一度、弊社国際輸送サービス「みかん箱」までお気軽にお問い合わせください!
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輸出するための手続き
ここからは、輸出する際にどんな書類を用意して、どんな手続きが必要なのか簡単にご紹介します。
1.輸出通関手続き
海外に貨物を輸出するには税関に対して輸出申告を行い「輸出の許可」を受ける必要があります。(輸入の場合には、輸入申告〜輸入の許可が必要です。)
通関手続きは、国家資格を持っている「通関士」が行います。通関士は弁護士のように独立開業することはできないため、通関業者に所属して通関手続きを行います。そのため、通関手続きの依頼は通関業者に対して行います。
通関業者によって、通関をする貨物ジャンルの得意不得意があります。A社は食品が得意、B社は機械類が得意などです。輸出する貨物の内容に合わせて最適な通関業者を選ぶことで迅速な通関手続きを行ってくれます。
どこの通関業者にも依頼することはできますが、リードタイムを早くするためには、業者選びは重要です。
2.海外輸出の必要書類
輸出するための必須書類をご紹介します。基本的に輸出者が用意する必要がありますが、フォワーダーに依頼をすれば代行して作成してもらうことも可能です。
・INVOICE(インボイス)
INVOICEは、別名「仕入書」と言い、輸出者が輸入者に渡す書類。貨物の品名、数量、単価、契約条件などが記載されています。通関手続きの際に必ず必要になる書類なのでフォワーダーに依頼する際に作成します。
・Packing List(パッキングリスト)
梱包明細書のことです。貨物の個数、重量、容積などを記載します。
通関時は必須ではありませんが、航空会社(船会社)が貨物のサイズ、重量を把握して、うまく積付けをするために必要になるので、作成しておくとスムーズな輸出が可能です。
・Shipping instruction(シッピングインストラクション)(S/I)
Air Waybill: AWB(航空運送状)または、B/L(船荷証券)を作成するときに必要になる書類です。
フォワーダーに輸送を依頼するときに、どんな内容で輸送をするのか依頼を出す書類としても機能します。
・委任状
通関業者に通関を依頼するときに委任状が必要になります。通関業法で定められていることなので必須書類となります。フォーマットはフォワーダーが保有しているので確認してみると良いでしょう。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
海外輸出には、取引相手(国)の選定、法律の理解、通関手続き、輸出手配など様々な手配が必要になります。貿易商としての醍醐味でもありますが、はじめての方は骨の折れる業務となるでしょう。
国際輸送の手配に関しては、弊社みかん箱で代行することが可能です。
貨物の集荷〜梱包〜輸出手続き(通関手続き)〜貨物搭載(輸出)までの全ての業務を代行することができます。
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