この記事では、航空輸送の際に発行されるAir Waybill(エアウェイビル)について解説します。
エアウェイビルの役割や種類、実務上での運用方法など、これから航空輸送をする方が知っておくべき知識をまとめましたので参考にされてください。
目次
Air Waybill(エアウェイビル)とは
Air Waybill(エアウェイビル)とは、「航空運送状」のことで、航空会社と運送契約を結ぶことで発行される書類です。
エアウェイビルには、譲渡・流通性はなく、運送契約書としての機能を果たします。
海上輸送の場合には、船会社からB/L(船荷証券)が発行されますが、このB/Lは、有価証券であり、担保に利用したり、裏書きして譲渡することも可能です。
信用状決済を利用する場合で、航空輸送を行う場合には、原則的にエアウェイビルの荷受人欄には「銀行」が記載されます。
B/L(船荷証券)の場合には、有価証券ですからこのB/Lの所持をもって担保とすることが出来ますが、エアウェイビルの場合は、有価証券ではありませんので、銀行はエアウェイビルを担保にすることができません。従って、荷受人欄として銀行が指定されるのです。
Air Waybill(エアウェイビル)の役割
エアウェイビルの役割は以下の通りです。
2、貨物の受領書
3、運賃・料金の請求書
4、航空会社に対する貨物の取扱の指図書
5、発行および引渡しの指図書
エアウェイビルは、運送契約書としての機能を果たすとともに、国際輸送費の請求書や、貨物の受領書としての役割も果たします。
目的別に専用の書類を発行していては、手間が増え、迅速な国際輸送を行えませんので、エアウェイビルに様々な役割を付しているのです。
Air Waybill(エアウェイビル)の種類
エアウェイビルには、大きく分けて2つの種類があります。
1、マスター・エア・ウェイビル(MAWB:Master Air Warbill)
2、ハウス・エア・ウェイビル(HAWB:House Air Warbill)
航空会社が、フォワーダーに対して発行するのが、マスター・エア・ウェイビルです。実務上では、航空貨物代理店が発行しています。
ハウス・エア・ウェイビルは、フォワーダーが荷主に対して発行します。国際輸送上の関係性によって、発行されるウェイビルの種類を分けて、運送契約の内容が明瞭化されているのです。
Air Waybill(エアウェイビル)とインボイスとの違い
INVOICE(インボイス)には、品名・数量・単価・荷送人・荷受人・貿易条件・決済方法など、輸出入者同士の契約内容が記載されています。
仕入書とも言われ、「取引明細書」「請求書」「納品書」としての機能を果たしています。通関時に必須の書類でもあります。
基本的に、輸出者が作成しますが、フォワーダーや通関業者が作成を代行するケースもあります。
対して、エアウェイビルは先程ご紹介した通り「航空運送状」であり、航空会社との運送契約書です。
インボイスとエアウェイビルを同じものだと勘違いされていた方は、しっかり違いを把握しておきましょう。
Air Waybill(エアウェイビル)の追跡方法
航空輸送をする際に、貨物(飛行機)が今どこにあるのかを確認したい時がありますよね。
一般的には、航空会社やフォワーダーのサイトで、エアウェイビル番号を入力して検索するシステムがありますが、検索システムが導入されていない運送業者もあります。
その際には、「カーゴナビ」という国際貨物のトラッキング情報を検索できる無料のサービスを利用してみましょう。
航空・海上貨物問わず、輸送中の貨物が今どこにあるのかを調べることが可能です。カーゴナビは、多数の運送会社のトラッキング情報を統合しているサイトで、国際輸送をしている方にとって非常に便利なツールです。
カーゴナビで、追跡情報を調べることができなかった場合は、輸送を依頼しているフォワーダーに直接確認してみましょう。
・カーゴナビ
http://www.cargonavi.com/
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