この記事では、イタリアへ貨物を輸出する際に注意すべき法律や、具体的な国際物流の流れをご紹介します。
イタリアへ初めて貨物を輸出しようと思うと…
・どんな業者に依頼したら良いの?
・物流コストはいくらかかる?
・書類はなにを用意すれば良い?
など、分からないことが沢山!
国際物流が初めての方でも安心して海外発送業務を進められるよう、分かりやすく解説していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。
国際物流の手配をすべて専門業者に任せたい!という場合には、貨物代理店である弊社「株式会社みかん箱」までお気軽にお問い合わせ下さい。ご相談は無料です。
目次
イタリアへの輸出手段と日数
イタリアへの国際輸送の手段は、この3つです。
1.日本郵便
2.国際宅急便(佐川、ヤマトなど)
3.フォワーダー(貨物代理店)
それぞれの業者に、航空便・船便の選択肢はありますが、ここでは世界各国へ数日~10日程で貨物を届けることができる航空便について詳しくご紹介して参ります。
それぞれの輸送日数と、取り扱える重量の制限について表にまとめましたのでご覧ください。
※上記は目安です。状況によって変動しますので詳しくは各業者にお問い合わせください。
日本郵便
日本郵便は、航空便の場合、最短8日〜3週間程度の輸送日数が必要になります。イタリアまで船便で輸送すると1~3ヶ月かかりますので緊急性のある物流には不向きです。
日本郵便においては、重量制限が30kgと規定されており、この重量以上の貨物は取り扱ってくれませんから、国際宅急便かフォワーダーを利用しましょう。
日本郵便には、複数の輸送サービスが用意されています。
今回は、30kgの小包を輸送依頼した場合の、輸送サービスごとの輸送日数・料金についてご紹介します。
最短で輸送できるEMSは、最短4日で到着しますが、その分費用は比較的高く4万円を超えます。
2~3週間かかっても良いからもう少し安く輸送したいという場合には、エコノミー輸送のSAL便を利用すれば26,550円で輸送可能です。
予算と納期に合わせて輸送サービスを選ぶことが重要です。
国際宅急便
国際宅急便とは、ヤマト便や佐川急便などの国際輸送サービスです。日本郵便では取り扱えない品種や30kg〜50kgまでの荷物を国際輸送することができます。
ちなみに、クロネコヤマトさんに25kgの小包みをイタリアまで輸送依頼した場合の料金は「30,450円」、輸送日数は「5〜7日」になります。
日本郵便のSALよりも高く、航空国際小包よりもお安く輸送できます。
ここまでは、50kg以下の少量貨物の輸送サービスでしたが、50kg以上の貨物、特に商業貨物を輸送される場合には、フォワーダーと呼ばれる貨物代理店に依頼します。
フォワーダー
フォワーダーとは、貨物代理店のことで、国際輸送の書類作成や輸送手配、管轄官署への各種手続きを一括して代行してくれる専門業者のことです。
日本郵便や佐川のような国際宅急便では取り扱えない重量物や長尺物などの特殊貨物でも輸送可能で、納期やご予算に合わせて最適な輸送プランをコーディネートすることが可能です。
つまり、輸送の自由度が高いということですね。
今すぐ、イタリア輸送予定の「輸送日数」「輸送コスト」を把握されたい方は、お気軽に弊社国際輸送サービス「MIKANBAKO」のお問合せよりご連絡頂ければと思います。もちろんご相談・お見積りは無料です。
イタリアへの輸出入の流れについて
ここからは、日本から貨物を輸出して、イタリアで貨物を輸入〜納品までの一連の流れについてご紹介しましょう。
30kg以下の軽量荷物については、日本郵便に輸送依頼すれば、日本郵便の責任で貨物が運ばれます。
しかし、重量物の輸送となると、商業貨物として自らが輸出者として責任をもって輸送することとなります。
とは言っても、実際の業務は、弊社のような貨物代理店が全て請け負いますから、気楽に読み進めていってくださいね。
1.フォワーダーに国際輸送を依頼
輸出する貨物、輸出先、納期が決まればフォワーダーに問い合わせしましょう。
このとき、貨物の品名、数量、重量、容積を担当者に伝えれば、見積と実際の予定納期を出してくれるでしょう。
2.通関書類を作成
輸出する場合には、税関に輸出申告をし、必要な審査・検査を経て、輸出許可を得る必要があります。これを通関手続きと言います。
この税関手続きの際に必要になるのが「通関書類」です。
輸出の際の通関書類には主に「インボイス(仕入書)」「パッキングリスト(梱包明細書)」が必要になります。
インボイスには、輸出入者名・契約条件・品名・数量・価格・原産地などが記載され、パッキングリストには、貨物の数量、重量、容積などが記載されます。
基本的には、輸出者様に作成していただく書類ですが、ご要望があれば弊社では通関書類の作成も代行しています。
3.貨物を梱包する
海外へ荷物を送る場合、輸送中の揺れや衝撃による破損に備えるため、貨物に合わせて適切な梱包が必要になります。
梱包方法には、強化ダンボールやバリア梱包、スチール梱包など、様々な梱包方法があります。弊社では提携先の梱包業者があるため、リーズナブルで梱包を代行することも可能です。
梱包の種類について詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてくださいね。
4.保税地域に貨物を搬入
通関書類を作成し、貨物の梱包が完了したら次は、空港(港)の保税地域という倉庫に貨物を配送します。
保税地域とは、これから貨物を輸出する貨物や、海外から到着して関税が支払われていない貨物(外国貨物)を一時保管する倉庫のことです。
原則、この保税地域に貨物が搬入されたら、税関に輸出入申告が可能になるのです。
5.輸出通関手続き
通関手続きは、専門的な知識と経験が必要であるため、通関業者に依頼することが一般的となっています。
弊社にも提携している通関業者がおり、数千円程の手数料で迅速に輸出通関手続きを行うことが可能です。
輸出通関手続きは、税関に対して、輸出する貨物や数量、重量を申告して許可をもらう必要がありますが、
関税法や書類作成の知識がなければ相当な手間となりますから、専門業者に任せることをお勧めします。
無事税関から輸出の許可を受けたら、貨物は「外国貨物」としての性質を持ち、海外へ輸出できるようになります。
6.貨物搭載・輸出
輸出許可を受けた貨物は、順次、航空機(船)に搭載されイタリアに向け出発します。
また、航空会社や船会社に荷物を預けると同時に預り証としての証明書が発行されます。
航空便の場合には「Air Waybill(エアーウェイビル)」、船便の場合は「Bill of Lading(B/L:ビーエル)※」が発行されます。この時点で、日本側での輸出手続きが完了となります。
イタリア側で輸入通関手続きをし、貨物を受け取るために必要となる、Air WaybillもしくはB/Lを輸入者に送りましょう。
7.イタリア到着(保税地域搬入)
無事イタリアに到着した貨物は、空港(港)の保税地域に搬入されます。
イタリアから見れば、日本から送られてきた貨物は外国貨物に当たるため、危険なものではないか?輸入制限がかかっているものではないか?などをイタリア税関でチェックをし、関税が払われて問題がなければ輸入許可を出します。
貨物が到着したら輸入者はすぐに貨物を引き取りたいですが、必要な手続きと納税を終えたあとにイタリア国内に引き取ることができるんですね。
8.輸入(納税)申告
保税地域に貨物が搬入されたら、現地税関に対して輸入(納税)申告を行います。
このとき、日本側で作成したインボイス(仕入書)、パッキングリスト(梱包明細書)、Air WaybillもしくはB/L、保険を掛けていたら保険明細が必要になります。
イタリア側で迅速に輸入申告ができるように、事前にこれらの書類は輸入者に送っておくことが重要です。
※弊社では、イタリア現地に通関業者のパートナーがいるため、よりスムーズな通関手続きが可能です。
9.イタリア国内に引き取り〜納入
現地税関から輸入許可を受けた貨物は、イタリア国内に引き取れるようになります。
納入先までのトラックや鉄道などの手配は、基本的に、現地通関業者が代行してくれますので安心してください。
これまで、基本的な国際物流の流れを解説してきました。実際の実務はもっと複雑にはなりますが、フォワーダーを利用して輸出される場合には、大まかな流れを知っておくだけで問題ありません。
イタリアへの輸出の際の必要書類
全体の流れで必要書類について簡単に触れましたが、ここでは輸出の際に必須となる書類一式をより詳しく紹介していきます。
INVOICE(インボイス/仕入書/商業送り状)
インボイスは、輸出者が作成するもので、輸入者との取引明細、通関書類として、様々な役割を果たします。
記載される主な内容は以下の通りです↓
荷送人(売主)、荷受人(買主)、出港日、インコ―タームズ(貿易条件)、支払い条件(決済方法)、品名、数量、単価、合計金額、原産国…
インボイスには、どんな物を、何個、いくら分輸出するのか記載します。また、誰から誰に売るのかなど、契約内容を反映した明細を作るイメージを持つと良いでしょう。
日本の税関はインボイスをチェックし、貿易統計を取るとともに、「輸出してはいけない物にしないか?」「虚偽の記載はないか?」「輸出金額は妥当か?」など、関税法に基づき厳正な審査を行います。
イタリアに貨物が到着したあとも、現地の税関で同じインボイスを提出して「輸入通関手続き」が行われます。
Packing list(パッキングリスト/梱包明細書)
パッキングリストは名前の通り、梱包明細書の役割を果たしています。貨物の個数、重量はもちろんのこと、荷姿など、より細かい貨物の状態が記載されます。
例えば、1カートンには12ピース入っているなど、物量が細かく把握できるように明記することが求められます。
パッキングリストは意外にも、通関時の必須書類として規定されていませんが、実際の通関のときにはパッキングはないの?と税関職員に求められますので、必ず作成しておきましょう。
パッキングリストを提出しないと貨物の状態が把握できないため、貨物検査になる可能性が高く、通常よりも通関手続きが長引いてしまいますし、費用もかさみます。
Shipping Instructions(シッピングインストラクション/船積依頼書)
これは船積指図書(ふなづみさしずしょ)とも言われ、荷主(輸出者)がフォワーダーに輸送依頼をするときに渡す書類になります。
この書類をもとに、航空運送状(Air Waybill: AWB)や船荷証券(Bill of Lading: B/L)が作成されますので間違いのないように作成しましょう。
船積指図書は、決まった雛形はありませんが、ある程度の様式は決まっていますので、依頼先のフォワーダーに確認してみましょう。
委任状
ここでの委任状とは輸送依頼をする御社が、通関手続きを代理する通関業者に提出する書類になります。
通関業は、依頼主から初回のみ委任状を受け取る必要があるため、はじめて依頼する場合には、「御社(通関業者)に通関はお任せしますよ〜」という内容の委任状を作成する必要があります。(こちらもフォワーダーや提携先の通関業者が雛形を持ってますので安心してください。)
基本的に、上記4つの書類が必要になりますが、場合によっては輸出貿易管理令に関する「該非判定書」などの追加書類が必要になるケースもあります。
イレギュラーな場合は、フォワーダーが丁寧にアドバイスをくれたり、代行してくれますので安心してくださいね。
日本とイタリア間における輸出入規制
輸出入の流れと必要書類を大まかに把握して頂けたかと思いますので、最後に、輸出を規制する法律について簡単に触れておきましょう。
日本からイタリアに輸出する際の規制
日本からイタリアに輸出をする際はまず、日本側で施行されている様々な法律をクリアしなければいけません。
関税法上は輸出が可能な物品でも、他法令で規制されている場合があるということになります。
例えば輸出時には、以下の法律に抵触する可能性があります。
外国為替及び外国貿易法/輸出貿易管理令/文化税保護法/鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律/麻薬及び向精神薬取締法/大麻取締法/あへん法/覚せい剤取締法/狂犬病予防法/植物防疫法/道路運送車両法etc
こうして法律一覧を見ると、なんか難しそう…と心配になりますが、基本的に、他法令に抵触するか否かの確認や、他法令の許可承認の申請は通関業者やフォワーダーが行いますので安心して下さい。
この記事では、輸出時に深く関係してくる「輸出貿易管理令」について触れておきます。
「輸出貿易管理令」は端的に言えば、核兵器や武器などの危険な物や、これらに転用される可能性のある貨物の輸出を規制している法律です。
例えば、万が一核爆弾などに転用できる化学物質をうっかり輸出してしまい、テロリストの手に渡った場合、世界の平和を脅かされる可能性があります。
ですので、日本においての輸出時には、どこの国や企業に輸出するの?何を輸出するの?という点が重要視されるんですね。
輸出貿易管理令は、「リスト規制」と「キャッチオール規制」に二分され、これらの条文の中に、規制品目が明記されています。
結論から言えば、「食品」と「木材」以外は、輸出貿易管理令に抵触する可能性があります。
ですので、とくに機械類や化学物質品を輸出する際には、
税関から「これ、輸出貿易管理令に抵触しない?該非判定書提出して下さいね。」と言われます。
「該非判定書」は、輸出する貨物が、規制品目が規定されている1項~16項に該当しないことを証明する書類です。
こちらは、製品を製造しているメーカーから取り寄せる必要があります。
税関から求められた場合には、荷主様からメーカー様に問い合わせしていただき、該非判定書を取り寄せていただく必要があります。
万が一、1項~16項に該当する製品であった場合、規制対象となり、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければ輸出することはできませんのでご注意下さい。
イタリアでの輸入規制
無事日本から輸出できたからと言って、まだ安心してはいけません。イタリア側で輸入を規制している品目に該当していないか、輸出前に確認しておく必要があります。
これから輸出する貨物が以下に該当しないか確認しておきましょう。
イタリアで輸入許可が必要な品目
1、薬品類
基本的に医薬品(カテゴリー1品目のみ)については、イタリアの保健証の薬事中央事務所に申請をし、輸入許可を取得する必要があります。
2、武器・火薬類
武器や火薬類を輸入する場合には、国家警察が発行する輸入許可証を取得する必要があります。拳銃やライフル類の保持許可をすでに取得している場合には不要です。
最後に
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
イタリアに輸出する際の、手段・日数・手続き・法律などを簡単にご紹介してきましたが、輸送コストについては、貨物の内容や物量で大きく変動します。
貨物の内容、物量、イタリアの最終仕向地などを教えていただければ、輸送料金と到着日のお見積りを出させていただきます。
御社の輸出業務に少しでもお力添えさせて頂ければ幸いです。ご相談、お見積りは無料です。お気軽にどうぞ。
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