航空機を使って国際輸送を検討している方…
どうやって貨物が航空機に積み込まれるか知っておくべきです!
航空機は船便と違い、比較的輸送中の揺れが少なく、貨物破損などの心配はほとんどありませんが、それでも気流が荒れていれば貨物室も揺れます。
航空機輸送は、どのような梱包で、どのように積み込まれるのか、航空機輸送の現場を覗いていきましょう。
目次
貨物積み込み方法と貨物室の秘密
通常、多くの貨物を輸送する場合は、こういった「ジャンボ機」が利用されます。
引用元:「ジャンボ」を日本の航空会社で唯一運航 日本貨物航空がB747を使うワケ
客室はなく、完全に貨物を運ぶ用の航空機ですね。画像の航空機は、レドーム(前面)がかっぽり開いているいるタイプですが、側面が扉になっているタイプの航空機もたくさんあります。
こういうタイプですね⇣
しかし、航空機内は倉庫のように広々としている訳ではなく、限られたスペースしかありません。又、積み込み口は高いところにありますから、どうやって貨物を積み込むの?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
航空機が好きな方は、そんなこと知ってるよ!という話ですが、積み込むための特殊でカッコイイ機材がたくさん用意されています。
まずは「ハイリフト(HL)車」です。
引用元:ハイリフト車・ベルトローダー車
これは、コンテナやパレットになった貨物を、航空機に搭降載するための専用機材です。なんともゴツくて頼りがいがありそう。
引用元:ハイリフト車・ベルトローダー車
このように、貨物室の高さまでリフトアップすることができます。
貨物を載せるところには、ローラーがついていて、スイスイ移動させることができるようになっています。一度運転してみたいものです。ちなみにハイリフト車を運転するには、大型車又は大型特殊の免許が必要です。
次は「ベルトローダー(BL)車」です。
引用元:ハイリフト車・ベルトローダー車
今にもトランスフォームしそうなカッコいい車両ですよね。
ベルトローダー車は、大きな貨物ではなく、1つ1つが小さい手荷物などのバラ積み貨物を効率的に搭降載するための機材です。
使い方は容易に想像できますが、このように搭載口にベルトをぺったり付けて、ベルトコンベアで素早く荷物を動かすことができます。
引用元:ハイリフト車・ベルトローダー車
子供がいたら滑り台として遊び道具に使われてしまいそうですが、危険なので絶対にやってはいけません(笑)
航空機の貨物室の秘密
次は、貨物室について紹介します!
貨物専用機は、貨物のみを搭載しますが、旅客機ももちろん貨物輸送に使用されます。
旅客機の場合は、旅客が座る床下にある「下部貨物室(ベリー)」に貨物が積み込まれます。ロワーデッキとも言われることがあります。
ここがロワーデッキです⇣
引用元:日本貨物航空株式会社
客室の下って実は結構広いんですよね。
貨物専用機の場合は、旅客機でいう客室スペースの部分にも貨物を搭載することができます。ここの上部のスペースは「メーン・デッキ」や「アッパー・デッキ」と言われます。
メーン・デッキはもうとにかく広いです⇣
デッキ内には、コンテナやパレットをスラスラと奥まで隙間なく積み込めるように、ベアリングシステムが設置されています。
このベアリングシステムが無ければ、えっほえっほと人力で奥まで押さないといけないので大変です(汗)
ユニット・ロード・デバイスって?
ユニット・ロード・デバイス(ULD)は、航空輸送業界では常識の専門用語で、これは貨物をひとかたまりにするための下地になる「パレット」や、頑丈な梱包機材「コンテナ」のことを指します。
空港に行くと、たまにこういう鉄箱を見かけることはありませんか?
引用元:みんなの仕事Lab
これは、航空機専用のコンテナで様々なサイズのものがあります。又、保冷コンテナもあり、食品なども輸送することが可能です。
これは、航空機用パレットです。
引用元:JAL CARGO
サイズは様々で、貨物の大きさや重量などによって決定します。船便ですと、木やプラスティックのパレットを使用することが多いですが、航空機ではこういった鉄パレットを使用することが多いです。
航空機用パレットのサイズはこういったものがあります⇣
- 20フィートパレット:縦238センチ、横600センチ(※長尺、重量物用)
- 16フィートパレット:縦238センチ、横483センチ(※長尺、重量物用)
- 96 Heavy Duty Pallet:縦228センチ、横301センチ(※重量物用)
- 96インチパレット:縦228センチ、横301センチ(一般貨物用)
- 88インチパレット:縦207センチ、横301センチ(一般貨物用)
- PLBパレット:縦143センチ、横307センチ(ロワーデッキ用)
より頑丈で安全に輸送したい場合はコンテナを使用し、低価格で輸送したい場合はパレットを使用します。
フォワーダーに貨物の内容を伝えれば、コンテナ・パレットどちらで国際輸送するべきかアドバイスをもらえますので相談してみましょう。
航空機積み込み現場での専門用語
知らなくても全然問題ないですが、知っておくとフォワーダーとのやり取りがスムーズになったり、業界への理解が深まり、より貿易のプロへとレベルアップすることができます!
現場で飛び交う専門用語として「ビルドアップ」「ブレークダウン」の2つが挙げられます。
ここまで、航空機への積み込み方法やスペース、ULD、専門用語をご紹介してきましたが、貨物はトラック・倉庫・飛行場など、様々な場所で人の手によって取り扱われます。
貨物に傷が破損がないように、事前にしっかり梱包をして、安全に国際輸送ができるように心がけることが重要です。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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