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2016年、アメリカでスマホのリチウムイオンバッテリーが爆発して、車が全焼してしまった事件を覚えているでしょうか?
幸いなことに運転者は車の外にいましたので怪我はなく、愛車の全焼だけで済みました。
この事故から、リチウムイオンバッテリーの危険性が認識され、全世界でニュースになったことはまだ新しい記憶だと思います。
その後、IATA(国際航空連盟)においては、航空輸送におけるリチウムイオンバッテリーを内蔵している「時計」や「カメラ」などの取り扱いに一定の制限をかけました。
リチウムイオンバッテリーが内蔵されている機器の全てが航空輸送できなくなった訳ではなく、一定の条件を満たした場合に限り航空便での輸送が可能となります。
この記事では、時計を海外に発送する場合の「一定の条件」「書類準備」「輸出入の流れ」について解説していきます。
目次
国際郵便で時計を海外発送する
国際郵便というとEMS(国際スピード郵便)が人気ですが、残念ながらEMSにおいては時計の取り扱いを行っていません。
通常の小包輸送であれば国際郵便で送ることが可能です。しかし、輸送においては一定の条件があり、すべての条件を満たすことで国際郵便として送ることが可能です。詳しく見ていきましょう。
国際郵便で時計を送る条件
国際郵便では、以下4つの条件が規定されています。
1.リチウムバッテリーが機器に取付けまたは内蔵されていること
時計の場合には、時計本体にリチウムイオンバッテリーが内蔵されている状態であれば問題なく輸送可能です。
同封物としてリチウムイオンバッテリー単体を送ることは不可となっています。
つまりスペアのリチウムイオンバッテリーを送ることはできませんので、海外現地で購入しましょう。
2.リチウムの内容量又はワット時定格値等の条件を満たしていること
リチウム電池の種類や構造ごとに定められた内容量又はワット時定格値等の条件に適合する必要があります。以下表の内容に適合するか確認しておきましょう。
※一般に流通している時計やデジタルカメラ、ノートパソコンなどに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは以下内容に適合していますのでご安心下さい。
引用元:https://www.post.japanpost.jp/int/use/restriction/restriction02.pdf
3.数量制限を満たしていること
リチウムイオンバッテリーの数量制限は、「リチウム単電池」の場合は「最大4個」。「リチウム組電池」の場合は「最大2個」までとなっています。
商業量は送ることはできず、個人用として送る場合にのみ国際郵便は利用が可能です。この制限以上を輸出する場合には、フォワーダーに依頼しましょう。
引用元:https://www.post.japanpost.jp/int/use/restriction/restriction02.pdf
4.リチウム電池の輸入を制限していない国・地域向けであること
リチウム電池の輸入は、ほとんどの国が許可を出しています。例えば、以下の国で時計の輸入が可能です。
また、現状時計の輸入ができない国は以下の通り。
リチウム電池が輸入できる国の一覧はこちらを参照下さい。
国際宅急便で時計を海外発送する
クロネコヤマトや佐川急便の国際宅急便においては、時計の国際輸送を行っていません。
時計は危険品扱いとなり、機器からリチウム電池が着脱されているかに問わず、国際輸送は行うことはできません。
国際郵便で送りきれない量の時計の輸送については、国際輸送専門業者であるフォワーダー(貨物代理店)に依頼をしましょう。
フォワーダー(貨物代理店)で時計を海外発送する
国際郵便は、公的な輸送機関であり、また、旅客機下部のスペースを利用して輸送を行うこともあるため、危険物の取り扱いには、特に厳しい制限が設けられていました。
しかし、国際輸送の専門業者であるフォワーダーに依頼することで、柔軟な荷受けをしてくれる航空会社・船会社のスペースを購入することができ、
国際郵便では30kgまでの重量制限もありますが、フォワーダーなら重量の制限なく、物量や納期に合わせて、最適な物流をコーディネートしてくれます。
リチウム単電池4個までの輸送なら国際郵便で十分ですが、それ以上の輸送の場合にはフォワーダーに相談しましょう。
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アメリカに時計を輸出する際のインボイス記載事項
アメリカで時計の輸入をする際は、インボイスに以下内容を明記してください。
アメリカは時計の輸入について厳しく監視する体制をとっていて、偽造品や盗品ではないか、高価な時計なのに安く申告していないかなど、アメリカ税関で必ずチェックが行われます。
【 アメリカに時計を輸出する際の仕入書記載事項 】
■時計の種類
腕時計、壁掛け時計、ストップウォッチなどの時計の種類を明記してください。
■部品ごとの申告価格
MOVEMENT(時計内部部品)・CASE(時計外部の)・BAND・BATTERY、それぞれの申告価格を分けて記載してください。
アメリカ税関は、パーツごとの価格を把握して、正しい申告価格をチェックし、貿易統計も取っていますので、必ず分けての記載をお願いしいます。
その他、CASEとBANDの「材質」の記載も必要になります。以下表を参考にどの材質名になるか確認しましょう。
BANDの材質については、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動物)に該当する動物革(※1)を使用している場合は、CITES(サイテス)輸出許可書等が必要になります。
※1:ワニ、ヘビなどの革をBANDに使用している場合にはワシントン条約に抵触する物品である可能性があります。詳しくは「税関:ワシントン条約」をご確認ください。
時計の輸出入の流れ
日本から時計を輸出して、海外で輸入するまでの大まかな流れをご紹介しましょう。
- フォワーダーに輸送依頼をする
- 輸出書類の準備
- 時計の梱包
- 時計を空港(港)に搬入
- 輸出通関手続き(税関検査実施の可能性あり)
- 税関から輸出許可が下りる
- 航空運送状(Air Waybill:A/W)発行
※船便の場合、船荷証券(Bill of Lading:B/L) - 時計を航空機(船)に搭載
- 離陸(出港)
- 現地到着
- 現地にて輸入通関手続き
- 航空会社(船会社)に輸入許可証などの必要書類を提出して貨物受け取り!
流れをみると、大変そうなイメージを持たれるかと思いますが、貨物代理店や通関業者が各種手続きをすべて代行しますので、基本的に荷主様は、貨物代理店に依頼を出して、時計を引き渡して頂くだけでOKです。
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大型時計〜高級腕時計まで、各種時計の国際輸送実績多数。
書類作成、梱包、通関手続き、海外現地の通関手続き・配送手配まで、ドア・ツー・ドアで、大切な時計を国際輸送いたします。
お見積り、ご相談は無料。「お問い合わせ」よりご連絡お待ちしております。
1.国際郵便は、リチウム単電池4つ・リチウム組電池2つまでの国際輸送が可能
2.国際郵便で時計を輸送するための4つの条件を満たしているか確認しよう(リチウム電池が内蔵されている、数量制限、輸入制限国)
3.国際宅急便では時計の国際輸送を行っていない
4.アメリカへ時計を輸送する場合には、インボイスに時計の種類やパーツごとの申告価格を明記しよう
5.フォワーダー(貨物代理店)を利用すれば、柔軟な荷受けが可能!
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