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貿易取引はこれで安心!信用状(L/C)決済の仕組みをマルッと解説

信用状 仕組み

「信用状の仕組みってどうなってるの?」

信用状は、輸出者・輸入者両者が安全に取引する唯一の方法とは知っているけど、

具体的にどんな仕組みになっているのか分かりにくいですよね?

信用状の仕組みを理解するには、「お金」「モノ」「書類」の流れを把握する必要があります。

ちょっと複雑ですが、どのサイトよりも簡単に、分かりやすく解説していきますので、是非最後までご覧ください。

信用状(L/C)とは?

信用状とは、Letter of Creditことで、実務では「L/C:エルシー」と言われます。

これは、輸入者が輸出者に対して発行する書類で、銀行が両者の貿易リスクを保証する機能を持っています。

国内での取引はそこまで大きな不安はありませんが、取引相手が外国で言語も商習慣も違うとなると、たくさん不安が出てきますよね。

特に、お金の問題です。

  • 輸入者のリスク:お金払ったけど、本当に届くの?(先払いのケース)
  • 輸出者のリスク:荷物送ったけど、本当に支払ってくれる?(後払いのケース)

輸出者としては、荷物を送ったのに代金を回収できなければ損害ですし、輸入者としてはお金を払ったのに荷物が送られてこなければ、ただお金を渡しただけになり、損をします。

この両者のリスクを取り除く方法として、信用状決済を利用します。

輸出入者との間に、銀行が介入し保証が入ることで、代金・商品未回収リスクを無くし安全に取引ができるのです。

それではここからは、信用状取引の仕組みを時系列に沿ってご紹介してまいります。

信用状(L/C)の仕組み

信用状決済においては、お金・モノ・書類の流れを把握することで仕組みを理解することができます。

少し複雑ですが、簡単にご説明しますので安心してくださいね。

(1)売買契約

(1)売買契約

まずは、輸出入者同士で契約を結びます。

商品内容や金額、個数、決済方法などしっかり取り決めて売買契約を結びましょう。

(2)信用状開設依頼

(2)信用状開設依頼

売買契約が締結されたら、輸入者(申請者)が、開設銀行(輸入地の銀行)に、信用状開設依頼を出します。

※信用状開設依頼書の作成にあたっては、契約書をしっかり確認して、不安な点があれば輸出者に適宜確認しましょう。

(3)通知銀行に信用状を送付

(3)信用状通知

信用状が発行されると、開設銀行(輸入地)から、通知銀行(輸出地)に送付されます。

通知銀行はその後、輸出者(受益者)へ送付します。

※通知銀行は、開設銀行(輸入地)に任せることも可能ですが、輸出者が指定する場合もあります。

(4)船積み

(4)船積み

輸出者は、信用状が発行され、代金回収が保証されたので、安心して船積みを進めます。

信用状と契約書に基づき、Invoice(仕入書)・Packing List(梱包明細)・B/L(船荷証券)などの船積み書類を作成していきます。

※B/L(船荷証券)は船会社から発行されるもので、荷物を預かった証明になる運送状のこと。有価証券としての機能も果たしています。

(5)通知銀行に買取依頼

(5)買取依頼

輸出者は、船積みを完了させたあと、信用状・船積書類一式・荷為替手形を用意し、通知銀行(輸出地)に、これら書類の買取依頼をします。

書類に不備がなければ、通知銀行は書類を買い取りし、輸出者は代金を回収することができます。

(6)開設銀行通知・輸入者買取

(6)輸入者買取

通知銀行(輸出地)は、買い取った船積み書類や荷為替手形を、開設銀行(輸入地)に送り、代金を回収します。

その後、開設銀行は輸入者に船積み書類が到着したことをお知らせします。

輸入者は、代金を開設銀行に支払うことで、船積書類一式を入手できます。

この船積書類一式を港に差し入れると、無事輸入者は商品を受け取ることができるのです。(※実際は、引き取る前に通関手続きが必要です。)

ここまでが、信用状取引の仕組みとざっくりした流れです。

信用状についてもっとマニアックに知りたい方は引き続きお付き合いください!

ディスクレって何?3つの解決方法

信用状取引を調べていると「ディスクレ!ディスクレ!」と何度もこの言葉が出てきますよね。

「ディスクレ」とは、信用状と船積書類に相違があり、通知銀行(輸出地)で船積書類を買い取ることができない状態を言います。

信用状と船積書類に記載されている、品名や個数、金額、輸出入者名や住所など、記載内容に1文字でも相違があると買い取ってくれません。結構シビアです。

ディスクレになった解決方法は3つあります。

ディスクレ解決方法1:LGネゴ(Letter of Guarantee)

LGネゴは、軽微な相違に利用される方法。例えば、B/L(船荷証券)記載のマークが、信用状記載のマークと違う場合などに利用されます。スピーディーに修正することが可能です。

注意すべきは、万が一輸入地の開設銀行が買取書類を買い取ってくれない場合、輸出地の通知銀行は損をしてしまいます。その場合には、輸出者がリスクを負う必要があります。

ディスクレ解決方法2:ケーブルネゴ

こちらも軽微な間違いに利用されるディスクレ解決方法。

通知銀行(輸出国側)が、船積書類の買取の判断ができない場合に、輸入地の開設銀行に相談して、問題ないか確認する方法です。

輸入者がちゃんと代金を払ってくれそうだという判断が下れば、通知銀行(輸出地)は船積書類を買い取ります。

ディスクレ解決方法3:アメンドメント

輸出者が輸入者に直接修正依頼する手段です。外国との取引ですから、時差もあったりなど、対応が遅れる可能性もあり、時間がかかります。実務ではあまりアメンドメントは行われません。

信用状取引のデメリット

  • 手間がかかる
  • 銀行手数料がかかる
  • 銀行から担保を要求される事がある(輸入者)

信用状は、輸出入者が安全に貿易取引できる唯一の手段ですが、デメリットもあります。

なんと言っても、銀行を介しますから、貿易取引完了まで時間がかかります。

信用状を発行して、通知銀行に信用状が到着し、輸出者に通知されるまで船積が出来ませんので、数日〜最長で1週間程度リードタイムは延びると考えておきましょう。

また、銀行を利用しますから手数料がかかります。銀行によって手数料額は異なりますが、ざっくり5,000円~15,000円程度の手数料がかかると想定しておきましょう。

これは輸入者限定ですが、開設銀行から担保を要求されることがあります。銀行も商売です。代金回収リスクが低いと判断した場合は、輸入者に担保を要求することがあります。

事前に決済代金を口座に入れておけば担保がなくなったりなど、対応方法は各種銀行ごとに用意されていますので相談してみましょう。

信用状(L/C)取引の注意点

最後のセクションでは、L/C取引の注意点をご紹介します。大変重要な内容ですから、最後まで目を通していってくださね。

船積書類・信用状の表記ミスに注意!

輸入者は、信用状の開設依頼書を作成する際には、契約書と内容を一致させるように注意しましょう。

輸出者においては、届いた信用状や契約書の内容と、船積書類(InvoiceややB/L等)の内容に相違がないように注意しましょう。

内容に相違があるとディスクレとなり、書類の修正の手間もかかりますし、銀行の手数料もかかってしまいます。

また、銀行は信用状に記載されている金額までしか買い取ってくれません。輸出入者間の契約書では8,000ドルの契約となっているのに、信用状で5,000ドルとなっていたら、輸出者は3,000ドルの損になってしまいます。

輸出者は、信用状が到着したら内容を一字一句逃さず確認しましょう。

信用状はIrrevocable L/Cになっているか!

Irrevocable L/Cは、両国の銀行と輸出入者が同意しなければ取り消しできないL/C決済の種類です。

輸入者の突然のキャンセルリスクを防ぎ、輸出者の利益を守ります。輸出者は、届いた信用状が、取消可能(Revocable)となっていた場合には、Irrevocable L/Cに修正するように早急に輸入者に連絡しましょう。

発行銀行(輸入地)の信頼はありますか?

海外では信頼度の低い銀行が存在します。急に倒産したり、補償がされなかったり万が一の事態が起こる可能性があります。日本では考えられませんが..。

輸入地の開設銀行が、聞いたこともない信頼度の低い銀行の場合には、日本やアメリカの信頼ある銀行に、L/Cの確認(Confirmation)をしてもらうことができます。

輸入地の銀行が万が一倒産した場合、代金回収ができなくなる可能性がありますので、銀行の経営状況は把握しておくと安心です。

信用状記載の支払い方法を確認!

信用状には、一覧払い(at sight)と、ユーザンス払いがあります。

一覧払いは、船積書類が届き次第「すぐに支払う」という契約。

ユーザンス払いは、支払いまでに猶予を設ける決済方法。

輸出者としては、早急に代金回収したほうが早く貿易取引を終えることができますので、支払い方法を一覧払い(at sight)で契約しましょう。

実務では、ほとんどが一覧払いで契約されます。ユーザンス契約を希望されたら要注意かもしれません。

出荷日を守って!

信用状には、出荷日の期限が記載されています。輸出者はその期日までに船積みをする義務があります。

万が一船積スケジュールをズラす必要が出てきたら、早急に輸入者に連絡しましょう。

以上で、信用状の仕組みと全体像についての解説は終了となります。

貿易取引がまだ浅い方は、信用状取引の利用も検討しましょう。

弊社「株式会社みかん箱」は、輸出入手続きの完全代行を行っています。お気軽に、お電話・お問い合わせフォームよりご連絡ください。

POINT

・信用状は、輸出入者両者が安全に貿易取引できる方法

・信用状は、輸入者が輸入地の開設銀行で発行

・輸出者は船積後、すぐに代金回収できる

・輸入者は確実に商品を受け取ることができる

・信用状と船積書類に相違があるとディスクレになる。LGネゴが最速で修正できる。

・信用状取引には、手数料と手間がかかる(デメリット)

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